『学び』と『実践』をつなぐ② ~ 少し詳しく説明します
◆『基本の原理と原則』と『手法』を区別すること
世の中に生産方式と呼ばれるものはたくさんあります。トヨタ生産方式はよくご存じでしょう。ここにも原則と手法があります。有名な「かんばん」というのは一つの手法です。原則ではありません。
原則とは基本的なことで指針となるべきものです。
手法は原則を具体化して実行する道具です。
大事なのは原則を理解して、実践に適用することです。手法を真似するだけではいけません。手法は自分たちに合った魂の入ったものを考えるべきです。
◆しくみ(システム)を構築し運用する
作業を行う際にやり方とか設備の扱い方等を明確にすることは大切ですね。そのために標準と呼ばれるものを作成するかと思います。でも、これは「しくみ」とは違いますね。ここで言う「しくみ」とは、製品を作り上げるための個々の作業や設備の繋がりのことです。標準による個別の動きとは異なるものです。イメージとしては工程の流れに近いものです。
流れと言うと、原材料から始まり製品化されていくプロセスをイメージするかと思います。これは物の流れです。もう一つ大事な流れがあります。それは情報です。これが無いと「ものづくり」が始まりません。
物の流れと情報の流れをうまく作り上げる必要があります。
◆基本を作り上げるのは人であり、そのための人を育てる必要性
「しくみ」ができて「ものづくり」が始まったとします。皆さんご存じのように「ものづくり」はいつも順調にいくわけではありません。何かトラブルがあります。いつもの作業や設備稼働ができなくなります。ただ標準があると、そこに戻そうと人は動きます。これは標準化したことの1つの成果です。
ところが大きな変動、例えば大幅な生産量の増大•減少や製品仕様の変更、新製品の発注があったりすると、今までの「ものづくり」の流れを維持できなくなります。納期は間に合わせなければいけないので、ひたすら製造することになります。このときに「しくみ」が壊れやすいように思います。「しくみ」が定着していなかったと言えばそれまでですが、変動が大きいと「標準状態」に戻そうとする力が働きにくいように思えます。
しくみを維持•運用するための道具としてITは重要で今や欠かせないものです。しかし変動が生じたときに、「しくみ」を基本的な状態に戻すことができるのは、やはり人だと思います。
このように人の役割はいろいろな場面で必要になります。それぞれの領域や立場で人を育てていくことは重要です。
大変そうだなと思われたもしれません。
いつもやっていることを地道に変えていくことです。続けていると、あるとき以前より一段上に上がったことに気づきます。その瞬間は本当に嬉しいものです。
◎『学び』と『実践』をつなぐための役割を
おまかせください
紆余曲折しながらも進化していくことを願って、
この活動を『ものづくりスパイラルアップ』と
名付けました
☆さらに職場を変える活動を行う際、
もう一つ大事なことがあります